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カスタマーレビュー
おすすめ度:
木に学び心を育てる
(2008-09-08)
木も人も癖を見抜いて組み立てる....
私が教員免許を取る時、指導教授から頂いた一冊の本が
これでした。この本は宮大工の神様と言われた故・西岡棟梁の木の心を知って木と共に生き、宮大工の心構えと技術を通して現在人が忘れている伝統的な日本文化の奥深さや人の育て方、本当に生きていくのに大事なこととは何かを教えてくれました。
今も何度も読み返しています。
教師になる人、リーダーとして上に立つ人、人の親になる人、これから宮大工になる人も学生さんにも私はお勧めします。
建物の専門用語などちょっと難しいかもしれませんが、読んでいくうちに
大工さんの建築に関する話ではなく、大切な「心」について語っている一冊であることに
気がつくと思います。
良い意味で期待を裏切られた
(2007-08-13)
もともと仏教建造物や仏教美術に興味があることもあって、この本もそういう興味で手に取りました。しかし、良い意味で大いに裏切られた本です。この本は単に法隆寺や薬師寺の良さを伝える本ではなく、そういうものを通して人間や自然の奥深さを伝えている本でした。
著者の西岡常一氏は法隆寺や薬師寺の復元を任された宮大工棟梁。氏が、法隆寺や薬師寺や、棟梁としての仕事について語っている本ですが、そこからは宮大工という狭い範囲にとどまらない、どんな仕事にでも、あるいは生き方にも通用するような心構えを学ぶことができます。
今の時代、最初から最後まで、完全に一人だけで完結するような仕事はありません。ほとんどがチームという形で仕事をすることになるでしょう。それは、西岡氏のような宮大工も同じです。棟梁とは、いわばプロジェクトマネジャーのような仕事なのかもしれません。
その立場にある人はもちろん、チームの一員として働く人でも、「人の心を組む」重要性を認識しておくことは非常に大切です。もちろん、プロジェクトの成否には人的なもの以外にも様々な要因が絡んでくるでしょう。ただ、自分の経験では、この「人の心を組む」という部分が、プロジェクトの成否を決める大きな要因のひとつになっているような気がしています。
この本では、西岡氏がチームの一員として働いてきた頃の話から棟梁として働いてきた頃の話まで、様々な立場から見た仕事をやる上での心構えが説かれています。また、法隆寺や薬師寺の復元を担当した西岡氏が実際にそれらのお寺の見方を説明している部分もあるので、良質な法隆寺・薬師寺ガイドとしても使えるかもしれません。
読む人や書かれている部分によっては、西岡氏のともすれば頑固とも言える信念に違和感をおぼえることもあるかもしれません。あるいは、「名言」の部分だけを取り上げて、ただ感心して終わってしまいかねない本でもあります。
このような一見読みやすく、影響を受けやすい、誰かの経験が綴られている本を読む上で大切なのは、文字面を読んで感心するだけでなく、そのような言葉を彼が発した裏にある、経験や思考の積み重ねを、一枚ずつ薄紙をはがしていくように丹念に追体験しようと思考し続けることではないかと思っています。
ちなみに、この本を読んでいて、以前に読んだ『調理場という戦場』を思い出しました。料理人や宮大工といった、今の自分とはまったく関連のない職業ですが、どんな道でも、それを極めた人の言葉というのは、多くの人を魅了する迫力にあふれていますね。
本当に良い本でした。
棟梁が語る建築論にして人間論
(2006-11-05)
法隆寺の宮大工であり、伝統木造建築を熟知する棟梁が語り尽くす建築論。これを通しての人間論でもある。建築論と人間論との接続に妙味があり、そこが人々を惹きつけている理由だろう。短絡との批判もありそうだが、それはそれ、滋味あふれる貴重な経験談として傾聴に価する。
棟梁が語るのであるから当然、木材や木工事についての話に力点がある。私見だが法隆寺での感動を想い起こすと、それは建築物の細部だけではなく、伽藍全体の構成美や空間印象によるところも大きいと思う。これに関しては和辻哲郎著『古寺巡礼』(岩波文庫)や最近、建築家により書かれた『法隆寺の謎を解く』(武澤秀一著、ちくま書房)が格好の手引きになると思われる。
「宮大工」という単語をはじめて知りました。
(2006-07-22)
私はけっこう自然とかが好きな者です。法隆寺とかも好きです。法隆寺に行くと、こんな古いものがよく今の時代まで残ってるなあ。そこまでは、思いますし、無条件に感動します。でもよく考えたら、きちんとそれを手入れしておられる人とかが居てるんですよね。簡単にいうとそれをしている人たちが宮大工です。
著者は最後の宮大工でした。
すごく読みやすいです。いわゆる関西弁で文章も書かれています。そこから、著者の人柄すらほのかに伝わってくる気がします。「宮大工は仕事ないときは、農業やってます。なんでかゆうたら、民間のもんつくったら手が穢れると言われとるからです。」というような文体です。
学ぶべきところ多し
(2004-12-22)
12年前に読んだときも「木の癖組は人の心組」や「工人の心組は工人への思いやり」など感動しました。
現在、プロジェクトマネージャの端くれとして日々修行の身ですが、これらの言葉が時間を超えて伝わってきます。何らかの形でプロジェクトをマネジメントする方は是非、第7章の「宮大工の心構えと口伝」だけでも目を通しておく価値があります。ものを作ることが現代から始まったわけではなく、昔からあり、それを成功裏に終わらせるにはどうしたらよいかも当然のごとく考えられてきたものであることを知ることができます。
これらの伝統から受け継ぐべきものは数多くあります。現代のプロジェクトマネジメントにおごることなく真摯に受けとめたい言葉が何気なく差し出されています。
おすすめ度:
木に学び心を育てる
木も人も癖を見抜いて組み立てる....
私が教員免許を取る時、指導教授から頂いた一冊の本が
これでした。この本は宮大工の神様と言われた故・西岡棟梁の木の心を知って木と共に生き、宮大工の心構えと技術を通して現在人が忘れている伝統的な日本文化の奥深さや人の育て方、本当に生きていくのに大事なこととは何かを教えてくれました。
今も何度も読み返しています。
教師になる人、リーダーとして上に立つ人、人の親になる人、これから宮大工になる人も学生さんにも私はお勧めします。
建物の専門用語などちょっと難しいかもしれませんが、読んでいくうちに
大工さんの建築に関する話ではなく、大切な「心」について語っている一冊であることに
気がつくと思います。
良い意味で期待を裏切られた
もともと仏教建造物や仏教美術に興味があることもあって、この本もそういう興味で手に取りました。しかし、良い意味で大いに裏切られた本です。この本は単に法隆寺や薬師寺の良さを伝える本ではなく、そういうものを通して人間や自然の奥深さを伝えている本でした。
著者の西岡常一氏は法隆寺や薬師寺の復元を任された宮大工棟梁。氏が、法隆寺や薬師寺や、棟梁としての仕事について語っている本ですが、そこからは宮大工という狭い範囲にとどまらない、どんな仕事にでも、あるいは生き方にも通用するような心構えを学ぶことができます。
今の時代、最初から最後まで、完全に一人だけで完結するような仕事はありません。ほとんどがチームという形で仕事をすることになるでしょう。それは、西岡氏のような宮大工も同じです。棟梁とは、いわばプロジェクトマネジャーのような仕事なのかもしれません。
その立場にある人はもちろん、チームの一員として働く人でも、「人の心を組む」重要性を認識しておくことは非常に大切です。もちろん、プロジェクトの成否には人的なもの以外にも様々な要因が絡んでくるでしょう。ただ、自分の経験では、この「人の心を組む」という部分が、プロジェクトの成否を決める大きな要因のひとつになっているような気がしています。
この本では、西岡氏がチームの一員として働いてきた頃の話から棟梁として働いてきた頃の話まで、様々な立場から見た仕事をやる上での心構えが説かれています。また、法隆寺や薬師寺の復元を担当した西岡氏が実際にそれらのお寺の見方を説明している部分もあるので、良質な法隆寺・薬師寺ガイドとしても使えるかもしれません。
読む人や書かれている部分によっては、西岡氏のともすれば頑固とも言える信念に違和感をおぼえることもあるかもしれません。あるいは、「名言」の部分だけを取り上げて、ただ感心して終わってしまいかねない本でもあります。
このような一見読みやすく、影響を受けやすい、誰かの経験が綴られている本を読む上で大切なのは、文字面を読んで感心するだけでなく、そのような言葉を彼が発した裏にある、経験や思考の積み重ねを、一枚ずつ薄紙をはがしていくように丹念に追体験しようと思考し続けることではないかと思っています。
ちなみに、この本を読んでいて、以前に読んだ『調理場という戦場』を思い出しました。料理人や宮大工といった、今の自分とはまったく関連のない職業ですが、どんな道でも、それを極めた人の言葉というのは、多くの人を魅了する迫力にあふれていますね。
本当に良い本でした。
棟梁が語る建築論にして人間論
法隆寺の宮大工であり、伝統木造建築を熟知する棟梁が語り尽くす建築論。これを通しての人間論でもある。建築論と人間論との接続に妙味があり、そこが人々を惹きつけている理由だろう。短絡との批判もありそうだが、それはそれ、滋味あふれる貴重な経験談として傾聴に価する。
棟梁が語るのであるから当然、木材や木工事についての話に力点がある。私見だが法隆寺での感動を想い起こすと、それは建築物の細部だけではなく、伽藍全体の構成美や空間印象によるところも大きいと思う。これに関しては和辻哲郎著『古寺巡礼』(岩波文庫)や最近、建築家により書かれた『法隆寺の謎を解く』(武澤秀一著、ちくま書房)が格好の手引きになると思われる。
「宮大工」という単語をはじめて知りました。
私はけっこう自然とかが好きな者です。法隆寺とかも好きです。法隆寺に行くと、こんな古いものがよく今の時代まで残ってるなあ。そこまでは、思いますし、無条件に感動します。でもよく考えたら、きちんとそれを手入れしておられる人とかが居てるんですよね。簡単にいうとそれをしている人たちが宮大工です。
著者は最後の宮大工でした。
すごく読みやすいです。いわゆる関西弁で文章も書かれています。そこから、著者の人柄すらほのかに伝わってくる気がします。「宮大工は仕事ないときは、農業やってます。なんでかゆうたら、民間のもんつくったら手が穢れると言われとるからです。」というような文体です。
学ぶべきところ多し
12年前に読んだときも「木の癖組は人の心組」や「工人の心組は工人への思いやり」など感動しました。
現在、プロジェクトマネージャの端くれとして日々修行の身ですが、これらの言葉が時間を超えて伝わってきます。何らかの形でプロジェクトをマネジメントする方は是非、第7章の「宮大工の心構えと口伝」だけでも目を通しておく価値があります。ものを作ることが現代から始まったわけではなく、昔からあり、それを成功裏に終わらせるにはどうしたらよいかも当然のごとく考えられてきたものであることを知ることができます。
これらの伝統から受け継ぐべきものは数多くあります。現代のプロジェクトマネジメントにおごることなく真摯に受けとめたい言葉が何気なく差し出されています。
